薬剤科
薬剤科について
薬剤師として患者様が安全に薬物治療を受けられるように、各病棟に薬剤師を配置し、医薬品の適正使用の推進をしています。患者様へ服薬指導を行い、安心して治療が受けられる環境を提供しています。
またチーム医療の一員として、医師、看護師、その他医療スタッフとカンファレンスを行い、薬学的な観点から患者様が安全に薬物治療を受けられるように支援しています。
実績
学会発表実績
2024年度
- 抗菌薬適正使用の推進と緑膿菌の抗菌薬感受性の変化(日本病院薬剤師会関東ブロック第54回学術大会)
- 当院におけるJ-SIPHEを用いた外来の抗菌薬の使用状況の調査と使用の傾向について(日本病院薬剤師会関東ブロック第54回学術大会)
- 胃がん術後に空腸瘻を造設した患者にNSTが介入することで退院に結び付いた1例(第40回日本臨床栄養代謝学会学術集会)
- 大腸手術における術後合併症と予後予測に関する栄養指標の有用性の検討(第40回日本臨床栄養代謝学会学術集会)
- 骨粗鬆症マネージャーの介入による服薬継続率についての調査と二次性骨折予防に対する今後の展望(第26回日本骨粗鬆症学会)
- 外科手術における周術期感染予防のための抗菌薬適正使用の推進とSSI発生を減少させる要因の検討(第34回日本医療薬学会年会)
- 転移性脳腫瘍の随伴症状に対してステロイドを使用した一例
2023年度
- 当院の外来AMR対策に向けた経口抗菌薬の使用状況の調査(日本病院薬剤師会関東ブロック第53回学術大会)
- 下痢症状を起こす経管栄養患者にNSTとして関わった一例(第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会)
2022年度
- 当院の外来AMR対策に向けた経口抗菌薬の使用状況の調査(日本病院薬剤師会関東ブロック第52回学術大会)
雑誌等への掲載
2023年度
- 特集 感染制御専門薬剤師・感染制御認定薬剤師について(千葉県病薬会報 第222号)
2021年度
- 回復期リハビリテーション病院における薬剤師業務の意義と課題(週刊 薬事新報 第3195号)
地域の健康講座
2024年度
- 糖尿病 健康教室(船橋総合病院内)
糖尿病健康教室内で年1回『糖尿病と薬剤』のテーマで講義
直近の開催実績:2025年2月(2024年度から再開)
※当院では、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、事務職等の多職種で構成された糖尿病対策委員会を設置し、入院の患者様や外来の患者様の最適な糖尿病治療に向けて話し合いをしています。また、地域の住民の皆様にも幅広く糖尿病の知識に触れてもらえるように、糖尿病健康教室を定期的に開催しており、糖尿病についての正しい知識を習得していただくよう努めています。
認定薬剤師取得状況
2025.5時点
感染制御認定薬剤師 | 2名 |
糖尿病療法指導士 | 2名 |
NST専門療法士 | 4名 |
骨粗鬆症マネージャー | 5名 |
認定実務実習指導薬剤師 | 4名 |
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 | 1名 |
病院薬学認定薬剤師 | 2名 |
抗菌化学療法認定薬剤師 | 1名 |
実務実習生受け入れ実績
2024年度
第Ⅱ期:2名、第Ⅲ期:3名、第Ⅳ期:2名
2023年度
第Ⅱ期:3名、第Ⅲ期:4名、第Ⅳ期:5名
2022年度
第Ⅱ期:2名、第Ⅲ期:3名、第Ⅳ期:3名
受け入れ大学実績(五十音順)
城西大学、城西国際大学、千葉科学大学、帝京大学、帝京平成大学、日本薬科大学、 星薬科大学、横浜薬科大学
調剤業務
内服・外用調剤
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主に入院患者様の処方箋に基づいた調剤を行っています。
自動錠剤分包機を用いて患者様の薬を一包化(ワンドーズパッケージ)にすることで、患者様が多種類の薬を服用し易くしています。
また、患者様の服用形態に合わせて粉砕、散剤、水剤等の調剤を行っています。
注射調剤
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内服の調剤と同様に処方箋に基づいた調剤を行っています。注射処方箋を基にラベル印字を行っており、患者様個々の注射薬を病棟に払い出しています。
また、配合変化や投与量、投与速度なども確認しながら、調剤を行っています。
無菌製剤業務
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薬剤科内には、無菌製剤室を設け、クリーンベンチ1台と安全キャビネット1台を備えています。
クリーンベンチでは、主に患者様の中心静脈栄養の調製を無菌的な環境でおこなっています。
安全キャビネットでは、入院・外来患者様に投与される抗がん剤の調整をしています。
調製者は正しい抗がん剤の取り扱いの知識が必要となります。
外来業務
外来化学療法
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外来化学療法室で薬剤師による問診を行っています。外来患者様が点滴治療を受けられる外来化学療法室では、患者様が安心して化学療法を受けられるように、薬の効果や副作用の説明、質問・不安点を伺い、医師・看護師へフィードバックしています。
自己注射指導
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代表的な自己注射製剤はインスリンになりますが、近年さまざまな製剤が開発され、糖尿病治療以外にも骨粗鬆症や気管支喘息、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの疾患で使用されています。入院・外来共に新しく薬が始まった際や不明点が出てきた際は患者様と面談を行い、疑問点・不安点を解消していただき、継続して自己注射ができるよう指導していきます。
術前外来
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手術を控えた患者様には、事前に市販薬やサプリメント等も含め常用薬を確認しています。手術前に休薬が必要な薬を服用している場合は、医師へ情報提供と確認を行い、患者様へ何をいつからお休みするかお伝えしています。また、当院での採用有無も確認し、普段在庫していないような特殊な薬を常用している方であれば、多めに持参してもらうようお願いしています。
病棟業務
病棟薬剤業務
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サテライト病棟を設置し、処方前後で薬剤師が関われるようにしています。
常駐している薬剤師は、医師や看護師、その他医療スタッフと連携をとりながら処方された薬を確認する事で、患者様一人一人にあった薬の処方提案をおこなっています。
各科回診やカンファレンスへの参加、持参薬の鑑別・切り替えの提案・継続有無の確認などを行っています。
薬剤管理指導業務
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患者様が安心して薬が飲めるように、患者様のもとに伺い、薬の説明や副作用の確認をおこなっています。
現在の症状を直接聞き取ることで、患者様にあった薬物治療が行えるように努めています。
チーム活動
ICT/AST(感染制御/抗菌薬適正使用チーム)
ICT/ASTは医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職等で構成されます。
ICTは院内で起こる様々な感染症から患者様や職員の安全を守るために、定期的に巡回を行い消毒薬の適正使用や感染予防策の徹底を指導しています。
ASTは感染症に対する薬剤の治療効果を高めるとともに、耐性菌の発生を抑制することを目的とするチームです。抗菌薬の適正使用について週1回患者ラウンドを行い、主治医と協議を行い、感染症治療を最適化するよう支援を行っています。
NST(栄養サポートチーム)
栄養管理の必要な患者様に、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、検査技師等多職種が連携を持って関わっています。薬剤師は、高カロリー輸液、末梢点滴、経管栄養などの薬剤による栄養管理や患者様が服用している薬剤の副作用による栄養障害の有無を確認しています。
褥瘡対策チーム
褥瘡が新たに発生、あるいは入院時に持ち込みの褥瘡があった際は、褥瘡委員会に患者情報が共有されます。薬剤師は対象患者が服用している薬や使用している外用薬を確認し、服用薬による褥瘡への影響、外用薬の使用方法に対する注意事項を基に診療計画を立案します。月に1回、褥瘡チーム(医師、看護師、理学療法士、薬剤師)にて回診を行い、創部の確認や記録としての写真撮影、サイズの測定、外用薬の評価を行います。回診の翌週に開催される委員会にて各々の職種(医師、看護師、理学療法士、薬剤師、栄養士、臨床検査技師)から注意点や確認していく事を決定し、全体に情報共有しています。
緩和ケアチーム
痛みや呼吸苦などの身体的苦痛、不安などの精神的苦痛を訴えている患者様の苦痛を和らげ、その方らしい生活を送れるようなサポートをしています。 対象患者様には毎日薬剤師が訪室して患者様の様子を確認し、週1回は病棟にて他職種(医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士など)と共にラウンドを行っています。
骨粗鬆症チーム
骨折リエゾンサービス(FLS)とは、様々な職種の連携により、脆弱性骨折患者に対する「骨粗鬆症治療開始率」「治療継続率」を上げるとともに、転倒予防を実施することで二次性骨折を防ぐ取り組みです。当院でも大腿骨近位部骨折で手術をした患者さんを対象に、骨粗鬆症の病態、治療継続の重要性、運動、栄養等について作成したパンフレットを用いて指導しております。
術後疼痛管理チーム
術後疼痛管理チームは、麻酔科医・手術室看護師・薬剤師で構成されています。
チームで術後患者の病棟回診をおこない痛み、副作用、合併症、離床の程度などを評価し、主治医や病棟看護師と協働し薬剤の調節や副作用に対する介入をおこなっています。チームの介入により、術後の苦痛軽減、早期回復を目指しています。
DI・薬品管理
DI(医薬品情報)業務
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病院内外に薬に関する情報を提供する業務です。各科からの問い合わせに対応するだけでなく、医薬品情報誌を定期的に発行し、薬物の適正使用に役立つ情報を提供しています。
病棟で定例勉強会を開催しており、医療安全や薬品に関する共育を行っております。
プレアボイドを収集し、日病薬への報告や副作用を収集しPMDAへの報告も随時行っています
薬品管理業務
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バーコードを用いて適切な在庫管理を行っています。病院内の薬品の数量、品質はもちろん、法的な管理や経済的な管理も行っています
TDM:薬物血中濃度モニタリング
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薬物によっては、血液中の濃度をコントロールすることにより、十分な効果が得られ副作用を起こりにくくすることが可能です。このような薬物を対象として、適切な薬物投与設計が行えるようにコンピュータ等を利用し解析及びシミュレーションなどの情報提供を行っています。
教育体制
プリセプター制度
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1年目では2、3年目の先輩が2名程度プリセプターとして1年目につきます。またプリセプターに対しては主任が1名つくことで、新人、若手、主任がチームとして関わり、共育を行っています。
何か困ったことや相談したいことをすぐに相談、還元できる環境を整えています。
お問い合わせ先
船橋総合病院 薬剤科